女蔵(おんなぐら)
本日、蔵の上屋の屋根補修が、終わりました。
創建時期は、明治時代か?江戸時代か?
後日、下屋根葺き替え工事時に、検証したいと思います。
(お洒落な屋根考古学者)(笑)
ま、こ~んな感じに、いかにも??って工事はさけ、
創建当時のまま。。。に、こだわりましたぁ。じゃ~ん!!↓
極力、古瓦を、使い、復元いたしました。
ケラバも、関東棒ケラバ、5寸足。。
棟の青海波も、漆喰補修程度で、納めました。
もちろん、棒ケラバも、ドリルで、穴をあけ、ステンレス釘にて、
全数打ち付け。。
風切り丸の、角桟の紐丸も、穴をあけ、全数、ステンレス線にて、
緊結いたしました。
決して、目立たない工事ですが??これが重要。。
明治時代の、先人葺き師に対する、配慮です。。
いかにも?って工事は、あんまり好きではありません。。
いますでしょ?いかにもって言う工事が、営業だ!っと
勘違いしてる奴。。。(笑)
ま、そんな奴は、置いといて・・・
今日は、女蔵(おんなぐら)の、構造について、講義いたします。
男蔵(おとこぐら)の、瓦まで、蛇腹漆喰で、塗り込んである
本体を、漆喰で塗り上げ、屋根まで、三角に仕上げてから、
その上に、小屋組みして、瓦が葺いてある構造の蔵です。。
構造を見て見ましょう。。この上屋(うわや)。。↓
ご覧のように、さすと呼ばれる材木のばってんを、コミせんで、
留めて。
角材の切れ端を、勾配漆喰の上に、ただ、乗せてあるだけ・・
ボルトも、ホールダウン(笑)も、付いていません!!
このばってんに、棟木・母屋を取り付けて、垂木を流し、
野地板。瓦。。の構造です。。
左右の、重量配分。自然の力。。のなしえる技です。
ただ乗っているだけの構造ですから、もちろん!
軽~い屋根材では、当然、吹き飛ばされちゃうでしょう。
先人の知恵。。自然の法則。。重みがある瓦だから、
今の、今まで、な~んでもなく、現存しているのです。。
今回の瓦修理も、立木による被害。。ケラバ、風切り丸の
緊結不足によるもの。。
構造の根本的ミスではない。と思います。。。
恐るべし、自然の法則、
あのね♪お寺さんのあの曲線も、単なるアールではなく、、
自然の法則から成り立っているのです。
だから、バランスが良いのです。。ここんとが理解出来ない
建設屋が、変な能書きたれるから、良くないのです(爆)
蔵の中の構造。。
・
・
やはり、ぶっ太い梁。棟木。。垂木。野地板。。
この上は、土。漆喰で三角に仕上げて、その上が、小屋組み。。
垂木、野地板も、創建当時のまま。。
まだ、新しかったよ~ん!!(笑)
家紋。。
水切り↓
等が付けられているものが多い。。
これは、つぶと言って、折れ釘の周辺につけられるものです。
これは、この折れ釘。L金具に、何かを引っかけた場合。。
白壁本体に、クラックが入らないように、保護してあるものなのです。
万が一の場合。。このオッパイの補修だけで済むような、
配慮なのです。
これ、「つぶ」といいますよ。「つぶ」覚えておいて下さい。。ね♪
ついでにこれ、昨日の盗賊のからくり・・・
左の穴から、昨日の七曲り署が入って来て、この富士山のような
しかけがしてある、栓を、持ち上げるのです。。