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女蔵(おんなぐら)

本日、蔵の上屋の屋根補修が、終わりました。

創建時期は、明治時代か?江戸時代か?

後日、下屋根葺き替え工事時に、検証したいと思います。

(お洒落な屋根考古学者)(笑)

ま、こ~んな感じに、いかにも??って工事はさけ、

創建当時のまま。。。に、こだわりましたぁ。じゃ~ん!!↓

DSC02678.JPG

極力、古瓦を、使い、復元いたしました。

ケラバも、関東棒ケラバ、5寸足。。

風切り丸も、角桟の、紐丸。。↓DSC02682.JPG

棟の青海波も、漆喰補修程度で、納めました。

もちろん、棒ケラバも、ドリルで、穴をあけ、ステンレス釘にて、

全数打ち付け。。

風切り丸の、角桟の紐丸も、穴をあけ、全数、ステンレス線にて、

緊結いたしました。

決して、目立たない工事ですが??これが重要。。

明治時代の、先人葺き師に対する、配慮です。。

いかにも?って工事は、あんまり好きではありません。。

いますでしょ?いかにもって言う工事が、営業だ!っと

勘違いしてる奴。。。(笑)

ま、そんな奴は、置いといて・・・

今日は、女蔵(おんなぐら)の、構造について、講義いたします。

男蔵(おとこぐら)の、瓦まで、蛇腹漆喰で、塗り込んである

のとは違い、ご覧のように↓DSC02668.JPG

本体を、漆喰で塗り上げ、屋根まで、三角に仕上げてから、

その上に、小屋組みして、瓦が葺いてある構造の蔵です。。

構造を見て見ましょう。。この上屋(うわや)。。↓

DSC02659.JPG

ご覧のように、さすと呼ばれる材木のばってんを、コミせんで、

留めて。

ただ、置いてあるだけ。。ほ~ら!↓DSC02662.JPG

角材の切れ端を、勾配漆喰の上に、ただ、乗せてあるだけ・・

ボルトも、ホールダウン(笑)も、付いていません!!

このばってんに、棟木・母屋を取り付けて、垂木を流し、

野地板。瓦。。の構造です。。

左右の、重量配分。自然の力。。のなしえる技です。

ただ乗っているだけの構造ですから、もちろん!

軽~い屋根材では、当然、吹き飛ばされちゃうでしょう。

先人の知恵。。自然の法則。。重みがある瓦だから、

今の、今まで、な~んでもなく、現存しているのです。。

今回の瓦修理も、立木による被害。。ケラバ、風切り丸の

緊結不足によるもの。。

構造の根本的ミスではない。と思います。。。

恐るべし、自然の法則、

あのね♪お寺さんのあの曲線も、単なるアールではなく、、

自然の法則から成り立っているのです。

だから、バランスが良いのです。。ここんとが理解出来ない

建設屋が、変な能書きたれるから、良くないのです(爆)

蔵の中の構造。。

真っ暗の中。フラッシュをたいて。パシャ[カメラ]DSC02672.JPG

DSC02671.JPG

やはり、ぶっ太い梁。棟木。。垂木。野地板。。

この上は、土。漆喰で三角に仕上げて、その上が、小屋組み。。

垂木、野地板も、創建当時のまま。。

まだ、新しかったよ~ん!!(笑)

蔵の豆知識。。。↓DSC02654.JPG

漆喰で、屋号や・↓DSC02677.JPG

家紋。。

水切り↓

DSC02686.JPG

等が付けられているものが多い。。

それと、このオッパイみたいな奴、↓DSC02685.JPG

これは、つぶと言って、折れ釘の周辺につけられるものです。

これは、この折れ釘。L金具に、何かを引っかけた場合。。

白壁本体に、クラックが入らないように、保護してあるものなのです。

万が一の場合。。このオッパイの補修だけで済むような、

配慮なのです。

これ、「つぶ」といいますよ。「つぶ」覚えておいて下さい。。ね♪

ついでにこれ、昨日の盗賊のからくり・・・

蔵の中から↓DSC02676.JPG

左の穴から、昨日の七曲り署が入って来て、この富士山のような

しかけがしてある、栓を、持ち上げるのです。。


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コメント 4

小栗

京都の大槻さんのFBで山田さんのブログが紹介からブログを拝見しました。
とても興味のある内容です(^^)
当時のスタイルを尊重しつつ、しっかりと現在の留めつけ仕様で工事されているさり気なさが素晴らしい!
下屋根での検証、楽しみにしてます。
by 小栗 (2012-10-28 11:20) 

まさゆき

屋号で、丸万だと言われて何も考えないで巴を作って。作り直しを命じられた、おバカな瓦屋の社長様をふと思い出した。。確か、珍しい瓦があると呼び出した記憶も…(笑)
by まさゆき (2012-10-28 17:19) 

お洒落な屋根

小栗さん> はじめまして、コメントありがとうございます。
       しんちゃんのところからですか?友達の輪ですね♪(笑)
       よっぱじじいが、その時の気分で書いているブログですので、
       不適切な評言、言葉使い等、多々ありますが?
       これからも、覗いて下さいませ。ね♪ニコ(*^_^*)ニコ
       
by お洒落な屋根 (2012-10-28 18:48) 

お洒落な屋根

まさゆきさん>そういえば、思い出しますなぁ??
         あの蔵。。
         53判削ぎで、調整桟を多用して、高級感を、あおり・・
         削ぎの、刻み袖を、発注し、合端の際、無意味な、下端カットを
         手間を、掛けている。。高級店だ!っと、
         東京の副資材屋まで、巻き込んで、親子で、この、俺に講釈した、
         物件。。。(笑)
         今、思えば、このような、おりこうさんタイプがこの業界を
         ダメにしています。。
         そこんとに気付かないで、講釈垂れる奴に
         ハッ!っと、気付かせる努力。。して行きたいと思います。
         そのような、親子が、今では、雑誌にも載る。。高級店ですものね♪
         気付かせる努力。常にしていきたいですね♪(笑)
by お洒落な屋根 (2012-10-28 19:03) 

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